「音楽を仕事にする」ってどういう事?

「音楽を仕事にする」ってどういう事?

忌野清志郎さんの本で「プロになりたければアルバイトはするな」と書いてあった。
夭折されたフジファブリックの志村雅彦さんの言葉には「結婚をすると音楽家は作品の質が落ちる」という内容の文章があった。
僕がギタリストの頃、「ギターがうまくなりたければ女遊びをしろ」と言われた。

どれも当時の自分にはまったく意味が分からず「そーいうものなのかな」くらいに思っていたのだが、今になってみると自分も同じ事を言ってしまいそうなくらい納得できる節がある。

レコーディングの際の、ボーカルの方にかける指示として「もう少し気持ちをこめてみてください」というアドバイスのしかたがある。
非常に抽象的なアドバイスなのだが、軟口蓋をもう少し開いて、とか具体的な言い方をするよりも、発声理論がわからない方でも区別無く理解して頂けることがほとんど。
実際、その人の気持ちがこもってるかなんてわかりはしないのだが、なぜかテイクが良くなったりするので、「すごく良くなりました」とOKを出す。

音楽と全然関係のない事柄は、音楽を作る上でのそのほとんどに影響している。
それくらい人は狭い範囲で生きているし、手の届く範囲の情報で判断する事しかできない。

僕の仕事柄、音楽でプロを志す人間と数多く出会う。
数字にして、およそ年に200人くらいじゃないかと思う。

僕自身、こんな形でプロと呼べる立場かどうかはわからないけど、お金をもらって音楽を作ったり教えたりしている以上、プロと名乗らなければならなくなる。
「プロになるためにはどうすれば?」的な事を聞かれる事もしばしばだけど、僕も数々のオーディションに落ち、リアクションの無いデモテープを送り、採用されないコンペに出続けていた人なので、裏技的な何かを行っていたなんて事はまずない。

それでも僕なりにお話をしていてわかった事がいくつかある。

  • 人は情報があふれていても、欲しいものしか吸収しない
  • 音楽業界には「継続できる人」「それしかできない人」が生き残りがち

吐いて捨てるほどコンテンツがある音楽のマーケットの中で、利益をあげる音楽を安定して作り出すなんて生半可な事じゃできない。
ましてや、その限られた椅子のとりあいを、何も能力の無い人間が勝ち取るなんて奇跡に近い。

それでも長く続けていると、いろんな理由でリタイアする人があらわれる。
家庭を持ったり、夢を追い続けるのが怖くなったり、才能があるのに先が見えなくなったり。

どちらの道がその人にとって正しい道なのかはわからないけど、どちらにしてもリタイアする人が増えてくれば、僕の勝率はあがる。

好きな事を仕事にしたければ「自分の信じた事を継続して、人に欲しがられる存在」になれればいい。
と、人に媚を売るなんて反吐が出る人間の僕が言っているのもなんなんだが。

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